忍者ブログ
世界一初恋にどっぷりハマッてる二次創作サイトです。
<< 05  2024/06  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30    07 >>
[10]  [9]  [8]  [7]  [6]  [5]  [4]  [3]  [2
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

冬らしいトリチアにいちゃつき方。

耳が痛くなる程の寒い風が吉野の髪を揺らす。マフラーもつけ、準備万端で出かけたはずだったが突然の雪に勝てるわけもなく、何回目かもわからない「寒い」を連呼している。
「トリー、さーむーい」
「・・・・・・」
「トーリー、寒い!」
「俺だって寒い」
羽鳥は吉野と違って両手に荷物を持ち、しかも手袋を準備万端と言ったくせに忘れた吉野に貸して、素手で寒空の下歩いている。
「じゃあ俺が荷物持つよ」
「いい、そんなふらふらしているやつに持たせられるか。・・・ほら着いたぞ」
ようやく吉野のマンションに到着しエレベーターで上っていく。
「あー・・やっと着いたって寒っ!」
昼間から出かけていたからか、外とほとんど変わらないほど中も冷え切っていた。
「待ってろ、今暖房付ける。暖まるまでコートも着てろ」
「うー」
羽鳥は買ってきた食材を冷蔵庫に入れ始め、吉野は床で丸くなっている。
「・・・寒い」
暖房ってなんで付けてすぐ暖まらないんだろ。こんな時コタツがあったらなぁ・・・いや、コタツもそんなすぐに暖かくないか。
「こら、床に転がっているともっと寒くないか」
「・・・じゃあ起こして」
仰向けで寝っ転がった状態から腕を伸ばす。
「はぁぁ、はいはい」
羽鳥は腕を掴み吉野を引き寄せる。
「んー・・・ん?」
「どうした?」
吉野は突然抱きついた手を離し、コートのボタンに掴んだ。
「・・・・トリー、 脱げ」
「っお前!?何言って」
「いーから、あとここ座って!」
無理やりソファーに座らせ勝手にコートのボタンを取り始めた。そして羽鳥の膝の上に跨るような態勢になり、コートの中に入るように抱きつく。
「あー・・・暖かい、湯たんぽみたいだぁ」
湯たんぽって・・・
「そんなに暖かいか?」
「うん、ぬくい。あと・・・落ち着く」
まぁ、吉野から抱きつかれるのは嬉しくないわけではなく。
そっと引き寄せて肩に顔を埋める。
確かに・・・落ち着く。
--ただ。
「お前、絶対寝るなよ。せめてネーム直してからにしろ」
「・・・・・・・・・ぐーーってイタタタタ!」
バレバレの嘘寝をする吉野の頬をつねり、無理やり体を離した。
「終わったらいくらでも甘えていいから」
「はぁ!?誰も甘えてねーし」
そんな言葉は聞こえないふり。
今日のネーム直しは少しぐらい優しくしてやるか・・・少しだけな。



fin

拍手[4回]

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
secret (管理人しか読むことができません)

Copyright (c)neve All Rights Reserved.
Powered by NinjaBlog  Material by Pearl Box  Template by tsukika


忍者ブログ [PR]