受け組がとある心霊番組を見てしまい怖がっちゃうお話です。
千秋は絶対小さい頃からの怖がりですよね。
そんで泣きながらトリの部屋に泊まったりなんかしちゃってドキドキさせちゃえばいいと思います!!
~吉野千秋の場合~
千秋は絶対小さい頃からの怖がりですよね。
そんで泣きながらトリの部屋に泊まったりなんかしちゃってドキドキさせちゃえばいいと思います!!
~吉野千秋の場合~
数日前に締め切りも終わり、今はまた次回の話を練り上げている時期。けれど・・・。
「・・・眠い」
珍しく吉野は昼間からずっと眠そうにしていた。
さっき朝食・・・というか時間的には昼食だが、食べたばかりだというのに、ずっと意識がふわふわしている。
「締め切り前でも無いのにどうしそんなに眠そうなんだ?」
「いや、調子よくて昨日の夜ずっとネームやってたら・・・、いつの間にか朝になってて」
「早くからやるのはいいが、あまり夜更かしはするな。少しぐらい寝ればよかったじゃないか?」
「それは・・・」
今にも寝そうな表情で、なぜか顔を逸らされた。
こういう時はだいたい何か隠しているときだが・・・
「まぁいい。とにかく少し昼寝しろ。だったら俺も帰るしっ」
「帰っちゃうの!?」
「え・・・ま、まぁ。することも無いしな」
まさか止められるとは思わなかったので、羽鳥は明らかに動揺した顔をした。
・・・寝ぼけているのか?
だが吉野は寂しそうに羽鳥の服を掴む。
「・・・じゃあさ。トリも一緒に寝よ?」
「はっ!?・・どうしたんだ吉野。寝ぼけているのか?それとも酔っぱらっているのか?」
素面でこいつがそんな事言えるはずがない。
「どっちもちげーよ。ねぇ・・・ダメ?」
「いや・・・ダメじゃないが」
「じゃあ決まり!寝よ寝よぉ!」
軽く爆弾発言を連呼しないでもらいたいが、久しぶりにゆっくり昼寝するのも悪くないか。
吉野はうれしそうに羽鳥の手を引き寝室に歩いて行った。
2人でも大きすぎるベットに寝転がり、吉野に布団をかけてやる。
するとなぜか吉野は羽鳥の手をぎゅっと握ってきた。「手、離すなよ」
「・・・離さないよ」
そう言ってやさしく頭を撫でる。
吉野はうれしそうに、へらっと笑った。
「でも本当に、何かあったのか?」
そう聞くと微妙な顔をしながら小さく呟く。
「だって、昨日見ちゃったんだ」
「・・・何を?」
「・・・・・・心霊映像百連発」
・・・・・・・・・・・・・・・は?
「だってよ!ネームやってて、寂しかったからテレビつけたらやってるんだぜ!夜中にあんなのやるなよ!怖えーよ!!しかも一回見ちゃうと消すに消せなくて」
あわあわと泣きそうな顔をしながら叫ぶ吉野だったが、三十路近くの大人が幽霊怖くて1人で眠れないとか・・・。
「はぁぁぁー」
「なんだよそのため息!だってベットで寝てると下から・・ひっ・・・人が出てくるんだぞ!!」
「・・そんなわけないだろう」
「他にも首がない人が走ってきたり、人形が笑い出したり、古い病院に行ったら・・・ここっ子供の泣き声が聞こえて!」
「作り物に決まってるだろう。そもそもなぜ自分たちから病院に行くかがわからん」
昔からお化け屋敷とか苦手だと思っていたが、今でもまだ怖かったとは。
「だから絶対どこにも行くなよ!ずっと俺の側にいろよな!?」
「っ!」
本当にどこまで無意識なのだろうか。
だからといってこの手を離す気はさらさら無い。
「どこにも行かないよ。ずっと・・・一生お前の側にいる」
そう言って優しく手の甲にキスをする。
「う?・・っっ!・・・あ、おっ、俺また変なこと言った・・・?」
っお、珍しく自分で気づいたか。
「さぁ?」
「・・・また1人で余裕かましやがって。っとう!」
吉野は自分から羽鳥の頭を抱き込んできた。
「・・・苦しいんだが」
「うっうるさい!とっとと寝ろ!!」
見上げないと吉野の顔が見えないのは変な感じだが、たまにはいいか。
背中に手をまわし、自分からも小さな体を抱き寄せる。少し経つと、すぅっと寝息が聞こえてきて。
「おやすみ、千秋」
いつもよりゆったりとした時間が流れる、そんな日曜日の午後のひと時だった。
fin
「・・・眠い」
珍しく吉野は昼間からずっと眠そうにしていた。
さっき朝食・・・というか時間的には昼食だが、食べたばかりだというのに、ずっと意識がふわふわしている。
「締め切り前でも無いのにどうしそんなに眠そうなんだ?」
「いや、調子よくて昨日の夜ずっとネームやってたら・・・、いつの間にか朝になってて」
「早くからやるのはいいが、あまり夜更かしはするな。少しぐらい寝ればよかったじゃないか?」
「それは・・・」
今にも寝そうな表情で、なぜか顔を逸らされた。
こういう時はだいたい何か隠しているときだが・・・
「まぁいい。とにかく少し昼寝しろ。だったら俺も帰るしっ」
「帰っちゃうの!?」
「え・・・ま、まぁ。することも無いしな」
まさか止められるとは思わなかったので、羽鳥は明らかに動揺した顔をした。
・・・寝ぼけているのか?
だが吉野は寂しそうに羽鳥の服を掴む。
「・・・じゃあさ。トリも一緒に寝よ?」
「はっ!?・・どうしたんだ吉野。寝ぼけているのか?それとも酔っぱらっているのか?」
素面でこいつがそんな事言えるはずがない。
「どっちもちげーよ。ねぇ・・・ダメ?」
「いや・・・ダメじゃないが」
「じゃあ決まり!寝よ寝よぉ!」
軽く爆弾発言を連呼しないでもらいたいが、久しぶりにゆっくり昼寝するのも悪くないか。
吉野はうれしそうに羽鳥の手を引き寝室に歩いて行った。
2人でも大きすぎるベットに寝転がり、吉野に布団をかけてやる。
するとなぜか吉野は羽鳥の手をぎゅっと握ってきた。「手、離すなよ」
「・・・離さないよ」
そう言ってやさしく頭を撫でる。
吉野はうれしそうに、へらっと笑った。
「でも本当に、何かあったのか?」
そう聞くと微妙な顔をしながら小さく呟く。
「だって、昨日見ちゃったんだ」
「・・・何を?」
「・・・・・・心霊映像百連発」
・・・・・・・・・・・・・・・は?
「だってよ!ネームやってて、寂しかったからテレビつけたらやってるんだぜ!夜中にあんなのやるなよ!怖えーよ!!しかも一回見ちゃうと消すに消せなくて」
あわあわと泣きそうな顔をしながら叫ぶ吉野だったが、三十路近くの大人が幽霊怖くて1人で眠れないとか・・・。
「はぁぁぁー」
「なんだよそのため息!だってベットで寝てると下から・・ひっ・・・人が出てくるんだぞ!!」
「・・そんなわけないだろう」
「他にも首がない人が走ってきたり、人形が笑い出したり、古い病院に行ったら・・・ここっ子供の泣き声が聞こえて!」
「作り物に決まってるだろう。そもそもなぜ自分たちから病院に行くかがわからん」
昔からお化け屋敷とか苦手だと思っていたが、今でもまだ怖かったとは。
「だから絶対どこにも行くなよ!ずっと俺の側にいろよな!?」
「っ!」
本当にどこまで無意識なのだろうか。
だからといってこの手を離す気はさらさら無い。
「どこにも行かないよ。ずっと・・・一生お前の側にいる」
そう言って優しく手の甲にキスをする。
「う?・・っっ!・・・あ、おっ、俺また変なこと言った・・・?」
っお、珍しく自分で気づいたか。
「さぁ?」
「・・・また1人で余裕かましやがって。っとう!」
吉野は自分から羽鳥の頭を抱き込んできた。
「・・・苦しいんだが」
「うっうるさい!とっとと寝ろ!!」
見上げないと吉野の顔が見えないのは変な感じだが、たまにはいいか。
背中に手をまわし、自分からも小さな体を抱き寄せる。少し経つと、すぅっと寝息が聞こえてきて。
「おやすみ、千秋」
いつもよりゆったりとした時間が流れる、そんな日曜日の午後のひと時だった。
fin
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