面倒見が良い分自分が怖いものが苦手、ということに気付かなかった横澤さんだったらかわいいなーと思いまして。
桐嶋家のほのぼの感がとても大好きです!
~横澤隆史の場合~
桐嶋家のほのぼの感がとても大好きです!
~横澤隆史の場合~
「ねぇねぇ、横澤のお兄ちゃん。お願いがあるんだけど・・・」
「ん、なんだ?」
いつものように桐嶋家に遊びに来ていた俺は、今はひよと2人だった。あともちろんソラ太も。
「これ、一緒に見てほしいの」
そう言って少し恥ずかしそうに渡してきたのは、何かのDVD。
心霊映像百連発・・・?
「これは?」
「あのね、昨日の夜録画したのなんだけど、このシリーズすごく怖いってみんな言って・・・それで」
怖いから一緒に見てほしいって事なのだろうか・・・?いつもしっかりしているからか、こういう子供らしい一面を見るとつい嬉しくなってしまう。
「じゃあ一緒見るか」
「うん!」
「ただいまー」
桐嶋は急に入った仕事を終え、ようやく家に着いた。けれどいつものように出迎えてくれるかわいい娘の姿が見あたらない。
寝ているのか?
しかし靴を見ると、横澤も来ているようだ。
取りあえず玄関を進み、そっとドアから覗くと、2人は何かのテレビを見ているようだった。最近ひよは横澤の膝の上に乗ってテレビを見るのがお気に入りらしく、仲良くしてるのはもちろんうれしいんだが、少し羨ましかったりもする。・・・俺も仲間に入るか。
桐嶋は「ただいま」と言いながらドアを開ける。すると日和は少しびっくりした顔で振り向いた。
「びっくりしたー、お帰りなさいパパ」
「ただいま、何を見てるんだ?」
テレビには明らかに心霊番組らしきものが映っていた。
「今ね、クラスの子が怖いって言ってたテレビ見てるんだ!やっぱちょっと怖いけど、おもしろいよ!ねぇお兄ちゃん?」
「・・・・・・あ、あぁ」
だが横澤はそれどころでは無かった。日和とテレビを見始めて30分弱。1つの疑問が横澤の中で渦巻いていたのだ。
あれ、俺って怖いのダメだったっけ?
「おい横澤?」
「え?っあ、すまん。ぼっとしていた」
「いや別にいいけど、大丈夫か?顔真っ青だぞ」
「だ 大丈夫だ」
心配そうな顔をしたまま桐嶋は寝室に着替えに向かった。
落ち着け。前までは確かに大丈夫だったはずだ。ホラー映画だって見れたし、学生の頃はお化け屋敷とかも普通に入れた。・・・・・・・・・ただ、あの時は一緒にいた奴らがあまりに怖がっていたから逆に俺が冷静になれたんだよな。今は・・・
「わぁ~、お兄ちゃん!すごーい、今の手透けてたよね」
ひよがすごい楽しそうなんだよ・・・!!
はぁー、とため息をつくと突然後ろからぎゅっと抱きしめられた。
「なっ、ちょっと桐嶋さん!?何してんだ!」
「だって俺も仲間に入れてほしいからさー」
自分でもうるさいぐらいの心臓の音はこの人にも伝わってしまっているのだろうか。
「それに、横澤が怖そうにしてるし」
「っっ!!」
こいつはまた余計なことを!!
「大丈夫だよお兄ちゃん。見終わるまで、ひよ手握っていてあげるから!」
そう言ってひよは俺の右手を握る。温かくて、小さい手。
「じゃあ俺はこっち」
今度は桐嶋さんが俺の左手を握った。
・・・何なんだろうこの親子は。
でも確かに今のこの時間は俺にとってかけがえのない時間で。柄にもなく、永遠に続けばいいだなんて思って目を瞑った。
「っあ、横澤。そういえばさっきお前の後ろに誰かいたぞ」
「っっっ!!え・・、そそそそれって」
「ソラ太がな」
「・・・・・・ひゃっぺん死ねぇぇぇぇぇぇ!!」
今日も平和な桐嶋家でした。
fin
「ん、なんだ?」
いつものように桐嶋家に遊びに来ていた俺は、今はひよと2人だった。あともちろんソラ太も。
「これ、一緒に見てほしいの」
そう言って少し恥ずかしそうに渡してきたのは、何かのDVD。
心霊映像百連発・・・?
「これは?」
「あのね、昨日の夜録画したのなんだけど、このシリーズすごく怖いってみんな言って・・・それで」
怖いから一緒に見てほしいって事なのだろうか・・・?いつもしっかりしているからか、こういう子供らしい一面を見るとつい嬉しくなってしまう。
「じゃあ一緒見るか」
「うん!」
「ただいまー」
桐嶋は急に入った仕事を終え、ようやく家に着いた。けれどいつものように出迎えてくれるかわいい娘の姿が見あたらない。
寝ているのか?
しかし靴を見ると、横澤も来ているようだ。
取りあえず玄関を進み、そっとドアから覗くと、2人は何かのテレビを見ているようだった。最近ひよは横澤の膝の上に乗ってテレビを見るのがお気に入りらしく、仲良くしてるのはもちろんうれしいんだが、少し羨ましかったりもする。・・・俺も仲間に入るか。
桐嶋は「ただいま」と言いながらドアを開ける。すると日和は少しびっくりした顔で振り向いた。
「びっくりしたー、お帰りなさいパパ」
「ただいま、何を見てるんだ?」
テレビには明らかに心霊番組らしきものが映っていた。
「今ね、クラスの子が怖いって言ってたテレビ見てるんだ!やっぱちょっと怖いけど、おもしろいよ!ねぇお兄ちゃん?」
「・・・・・・あ、あぁ」
だが横澤はそれどころでは無かった。日和とテレビを見始めて30分弱。1つの疑問が横澤の中で渦巻いていたのだ。
あれ、俺って怖いのダメだったっけ?
「おい横澤?」
「え?っあ、すまん。ぼっとしていた」
「いや別にいいけど、大丈夫か?顔真っ青だぞ」
「だ 大丈夫だ」
心配そうな顔をしたまま桐嶋は寝室に着替えに向かった。
落ち着け。前までは確かに大丈夫だったはずだ。ホラー映画だって見れたし、学生の頃はお化け屋敷とかも普通に入れた。・・・・・・・・・ただ、あの時は一緒にいた奴らがあまりに怖がっていたから逆に俺が冷静になれたんだよな。今は・・・
「わぁ~、お兄ちゃん!すごーい、今の手透けてたよね」
ひよがすごい楽しそうなんだよ・・・!!
はぁー、とため息をつくと突然後ろからぎゅっと抱きしめられた。
「なっ、ちょっと桐嶋さん!?何してんだ!」
「だって俺も仲間に入れてほしいからさー」
自分でもうるさいぐらいの心臓の音はこの人にも伝わってしまっているのだろうか。
「それに、横澤が怖そうにしてるし」
「っっ!!」
こいつはまた余計なことを!!
「大丈夫だよお兄ちゃん。見終わるまで、ひよ手握っていてあげるから!」
そう言ってひよは俺の右手を握る。温かくて、小さい手。
「じゃあ俺はこっち」
今度は桐嶋さんが俺の左手を握った。
・・・何なんだろうこの親子は。
でも確かに今のこの時間は俺にとってかけがえのない時間で。柄にもなく、永遠に続けばいいだなんて思って目を瞑った。
「っあ、横澤。そういえばさっきお前の後ろに誰かいたぞ」
「っっっ!!え・・、そそそそれって」
「ソラ太がな」
「・・・・・・ひゃっぺん死ねぇぇぇぇぇぇ!!」
今日も平和な桐嶋家でした。
fin
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