じゃみーさまのリクエスト『トリチアにょたで甘々2』
校了明けの昼下がり。
久しぶりに会いに来てくれた羽鳥はなぜか仕事をしていた。
「ねぇ・・・トリ、それ今やんなきゃなの?」
別にかまって欲しいわけじゃないけど、 なんとなく仕事に羽鳥を取られた気がしてもやもやした。
「悪いな。 他の先生のドラマCD化についてどうしてもまとめなくちゃいけな いんだ」
そう言いながら鞄からまた新しい資料を取り出す。
「でもせっかく2人きりなのに・・・」
自分から珍しく甘えてみたが、 仕事の頭になっている羽鳥には届かなかったらしい。 むしろ邪魔だと言わんばかりに溜め息をつかれた。
「子供じゃないんだから、大人しく待ってろ。 腹が減ったなら自分で作れ」
そうじゃない。
ご飯なんてどうでもいいのに・・・。
というか、何かムカついてきた。
「いい。私も仕事する。アホトリ!!」
すっと立ち上がりワザと音を立てて仕事場のドアを閉めた。
****
「終わっ・・・・・・た」
画面にできた企画書をもう1度確認し、 保存してからパソコンの電源を落とした。 集中してやっていたせいか目が痛い。
せっかく大きな問題も無く今月の入稿が終わったというのに、 まさかいきなりドラマCD化の企画を貰うとは思ってもいなかった 。本当は昨日の夜で終わらせたかったが、 そう簡単に出来るものではない。
あー・・・吉野を抱きたい
仕事詰めだったせいか、頭がおかしなことを考えてしまう。
それにしても、さっきは悪いことをしたな・・・。
他の仕事に吉野との時間を邪魔されてイライラしていたとはいえ、 その本人に当たっては元も子もないだろう。
謝りたい気持ち半分、 むしろそのままベッドに連れ込みたい気持ち半分で仕事場のドアを ノックした。
「吉野、入るぞ」
中に入ると本当に仕事をしていたらしい。 プロット作りをしているようだった。
「・・・終わったの?」
「あぁ。さっきは悪かったな」
「しょうがないじゃん仕事なんだし」
怒っていると思ったが、表情を見る限り自分の思い過ごしらしい。
「お前の方は順調か?」
「うん。もともと頭の中に話出来てたから余裕だし! これならすぐネームに入れるって」
「調子に乗るなよ・・・・・・っ・・千秋」
隣に行き長い髪を撫でながら頬に手を添えた。 キスをしようと顔を近づけ、あと少しという所で何か違和感。
「?」
目を開けると柔らかいは柔らかいが、 なぜか吉野の手が俺の口を塞いでいた。
行動の意味が分からず理由を尋ねる。
「これは・・・・・・なんだ?」
「今仕事中だからダメ」
はっきりした口調で言われ、頬に添えた手をゆっくり離した。
「・・・・・・・・・そうか。そろそろ腹減ってきただろう、 今準備するな」
「うん!ありがとー」
きっとまだ俺が冷たくしたことを気にしているんだ。
そう考えることにし、俺は台所へ足を進めた。
****
「ごちそうさまー!おいしかったー」
「お粗末様。今お茶入れるからソファーで座って待ってろ」
「はーい」
吉野は機嫌が良さそうに歩きながらソファーに座り、 テレビをつけた。
お茶の入った湯飲みを持って同じように隣に座る。
「ありがと」
横目で吉野を見ると、 バラエティー番組を見ながら楽しそうに笑っている。
今なら大丈夫か?
ソファーに置いてある吉野の右手を握った。 すると驚いたように少し頬を赤く染めている。
これなら、きっと。
「千秋・・・」
頭の後ろに手を回し顔を近づけた。
ガシッ
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「おい・・・」
口を塞がれはしなかったが今度は両手で頭を押さえられていた。
「やっぱり、まだ怒ってるだろう」
「べっ別に怒ってないよ」
「じゃあなんで拒絶する」
「えっと・・・・・・テレビ。そう、 私このテレビ見たいから今はダメ!」
明らか今思いついたような発言だが、 ここまで拒まれるとどうすることもできない。
「・・・・・・わかった。先に風呂入ってるな」
それだけ言うと、吉野から手を離し立ち上がった。
どうやら思ったより自分はショックを受けているらしい。
先ほどの「ダメ!」という言葉が頭の中でリピートし続けた。
****
風呂から上がり今は交代で吉野が入っている。 確かにあいつの言う通り怒っているわけではないようだが、 だったら今日のあの行動はなんだ。
別れたい?
いや、違う。前ならその可能性はあったが、 今はあいつも俺のことを好きだと言ってくれている。
大丈夫・・・大丈夫だ。
「・・・はぁぁ」
たかが1、2回拒絶されただけでこの様か。
吉野にだけは嫌われたくない。今のこの状況だって、 俺の最初のあの行動を考えたら奇跡に近いことだ。
・・・・・・だから、 もし別れを告げられたら俺にできることなんて。
「トリ!!!!」
「っ!?」
「もー、さっきから何回も呼んでんのにシカトしないでよ」
とっくに風呂から上がっていたのだろう。 時計を見ると結構時間が進んでいた。
「悪い・・・ 考え事をしていた。髪、乾かしたんだな」
「うん、もう寝ようと思って」
そう言って俺に背を向けて寝室のほうへ歩き出した。
「吉野・・・ 俺は今日ソファーで寝る」
今一緒に寝たら、俺はまた無理やりお前のことを・・・。
「はぁ!?何のために大きなベットがあるのさ。それに、 ソファーで寝ると腰が痛くなるんでしょ」
「まぁ・・・」
「ほら」
こういう時の吉野は頑固だ。 羽鳥の手を掴みぐいぐい引っ張って寝室へ向かった。
ベットに入る吉野を見て、自分も隣に寝転んだ。 いつもなら始めこちらを向くのに、見えるのは背中だけ。本当に・ ・・・・吉野は、俺のこと。
「っぷ、くすくすくす・・・・・」
え・・・・?
「あははははっははは」
「おい・・・何笑っている」
肩を震わせながら笑う姿に戸惑いながらも、 とりあえず吉野にしっかり体を向けた。
「だってっ・・・トリ、すごい泣きそうな顔してんだもん、 はははっ」
「・・・・・・」
「ごめんごめん」
その泣きそうな顔をしているやつを見てそんなにおもしろいのか。
涙を浮かべながら吉野もこちらに顔を向けた。
「優が言ったとおりだ」
なぜ柳瀬が出てくる。
「優が、 羽鳥はチキンだから私が嫌だって言えばめちゃくちゃヘコんで絶対 手を出さないって。だからやってみたんだ。あ、 でも最初はちゃんと怒ってたんだよー。 せっかく2人きりなのにトリ仕事するしさ」
頬を膨らましわざとらしく怒ったように言うが、 今はそんなことどうでもいい。
「ん・・・・・、トリ?」
無理やり顔を引き寄せると噛み付くようなキスをした。 久しぶりの柔らかい感触に酔いしれながら舌を絡める。
「ふぁ・・・・っん・・ぅ・・・ぁ」
そのまま吉野に覆いかぶさりさらにキスを深めた。
酸欠寸前で唇を離すと、吉野は苦しそうに肩で息をした。
「っぷぁ、はぁ・・・・・はぁ・・・なに、すんの・・」
「今日1日おあずけされた分だ」
服の中に手を入れ、細い体のラインをなぞった。
「ひぅ・・・!え、怒ってんの?だったらごめんって! でもトリだってわる・・・・って、どこ触って・・・!」
胸を触ると恥ずかしそうに身をよじらせたので、 空いている左手で吉野の両手首を掴み上にまとめた。
動きが取れずおどおどする吉野の耳にそっと顔を寄せて呟く。
「なぁ千秋。覚悟しろよ・・・・・」
「う・・・かっ勝手にしろ」
「ふっ・・・・・・、好きだよ千秋」
「・・・・・うん」
その後、 羽鳥にねちっこく攻められ散々泣かされたのは言うまでも無い。
fin
久しぶりに会いに来てくれた羽鳥はなぜか仕事をしていた。
「ねぇ・・・トリ、それ今やんなきゃなの?」
別にかまって欲しいわけじゃないけど、
「悪いな。
そう言いながら鞄からまた新しい資料を取り出す。
「でもせっかく2人きりなのに・・・」
自分から珍しく甘えてみたが、
「子供じゃないんだから、大人しく待ってろ。
そうじゃない。
ご飯なんてどうでもいいのに・・・。
というか、何かムカついてきた。
「いい。私も仕事する。アホトリ!!」
すっと立ち上がりワザと音を立てて仕事場のドアを閉めた。
****
「終わっ・・・・・・た」
画面にできた企画書をもう1度確認し、
せっかく大きな問題も無く今月の入稿が終わったというのに、
あー・・・吉野を抱きたい
仕事詰めだったせいか、頭がおかしなことを考えてしまう。
それにしても、さっきは悪いことをしたな・・・。
他の仕事に吉野との時間を邪魔されてイライラしていたとはいえ、
謝りたい気持ち半分、
「吉野、入るぞ」
中に入ると本当に仕事をしていたらしい。
「・・・終わったの?」
「あぁ。さっきは悪かったな」
「しょうがないじゃん仕事なんだし」
怒っていると思ったが、表情を見る限り自分の思い過ごしらしい。
「お前の方は順調か?」
「うん。もともと頭の中に話出来てたから余裕だし!
「調子に乗るなよ・・・・・・っ・・千秋」
隣に行き長い髪を撫でながら頬に手を添えた。
「?」
目を開けると柔らかいは柔らかいが、
行動の意味が分からず理由を尋ねる。
「これは・・・・・・なんだ?」
「今仕事中だからダメ」
はっきりした口調で言われ、頬に添えた手をゆっくり離した。
「・・・・・・・・・そうか。そろそろ腹減ってきただろう、
「うん!ありがとー」
きっとまだ俺が冷たくしたことを気にしているんだ。
そう考えることにし、俺は台所へ足を進めた。
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「ごちそうさまー!おいしかったー」
「お粗末様。今お茶入れるからソファーで座って待ってろ」
「はーい」
吉野は機嫌が良さそうに歩きながらソファーに座り、
お茶の入った湯飲みを持って同じように隣に座る。
「ありがと」
横目で吉野を見ると、
今なら大丈夫か?
ソファーに置いてある吉野の右手を握った。
これなら、きっと。
「千秋・・・」
頭の後ろに手を回し顔を近づけた。
ガシッ
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「おい・・・」
口を塞がれはしなかったが今度は両手で頭を押さえられていた。
「やっぱり、まだ怒ってるだろう」
「べっ別に怒ってないよ」
「じゃあなんで拒絶する」
「えっと・・・・・・テレビ。そう、
明らか今思いついたような発言だが、
「・・・・・・わかった。先に風呂入ってるな」
それだけ言うと、吉野から手を離し立ち上がった。
どうやら思ったより自分はショックを受けているらしい。
先ほどの「ダメ!」という言葉が頭の中でリピートし続けた。
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風呂から上がり今は交代で吉野が入っている。
別れたい?
いや、違う。前ならその可能性はあったが、
大丈夫・・・大丈夫だ。
「・・・はぁぁ」
たかが1、2回拒絶されただけでこの様か。
吉野にだけは嫌われたくない。今のこの状況だって、
・・・・・・だから、
「トリ!!!!」
「っ!?」
「もー、さっきから何回も呼んでんのにシカトしないでよ」
とっくに風呂から上がっていたのだろう。
「悪い・・・
「うん、もう寝ようと思って」
そう言って俺に背を向けて寝室のほうへ歩き出した。
「吉野・・・
今一緒に寝たら、俺はまた無理やりお前のことを・・・。
「はぁ!?何のために大きなベットがあるのさ。それに、
「まぁ・・・」
「ほら」
こういう時の吉野は頑固だ。
ベットに入る吉野を見て、自分も隣に寝転んだ。
「っぷ、くすくすくす・・・・・」
え・・・・?
「あははははっははは」
「おい・・・何笑っている」
肩を震わせながら笑う姿に戸惑いながらも、
「だってっ・・・トリ、すごい泣きそうな顔してんだもん、
「・・・・・・」
「ごめんごめん」
その泣きそうな顔をしているやつを見てそんなにおもしろいのか。
涙を浮かべながら吉野もこちらに顔を向けた。
「優が言ったとおりだ」
なぜ柳瀬が出てくる。
「優が、
頬を膨らましわざとらしく怒ったように言うが、
「ん・・・・・、トリ?」
無理やり顔を引き寄せると噛み付くようなキスをした。
「ふぁ・・・・っん・・ぅ・・・ぁ」
酸欠寸前で唇を離すと、吉野は苦しそうに肩で息をした。
「っぷぁ、はぁ・・・・・はぁ・・・なに、すんの・・」
「今日1日おあずけされた分だ」
服の中に手を入れ、細い体のラインをなぞった。
「ひぅ・・・!え、怒ってんの?だったらごめんって!
胸を触ると恥ずかしそうに身をよじらせたので、
「なぁ千秋。覚悟しろよ・・・・・」
「う・・・かっ勝手にしろ」
「ふっ・・・・・・、好きだよ千秋」
「・・・・・うん」
その後、
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