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世界一初恋にどっぷりハマッてる二次創作サイトです。
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年越しにお詣りに行くお話。
題名は好きなバンドの曲名からいただきましたー。

はぁーー・・・
吉野の吐いた白い息が夜空に舞った。
「寒みぃー」
「そうだな。冬の夜はさすがに冷える」
今日は12月31日。
相変わらずの年末進行のせいで、今年の年末は実家に帰らないつもりでいた。
だが吉野が突然「いつもの神社にお詣りに行きたい」と言いだし、除夜の鐘が響く中誰もいない道を2人で歩いている。
ちらりと横目で見ると吉野はコートのポッケに手を突っ込み歩いていた。どうやら手袋を忘れたのだろう。転ぶと危ないと注意したい気持ちもあるが、自分も同じように手を非難させているのだから人のこと言えない。
だったら・・・。
「吉野」
「んー・・・」
「左手かせ」
「?」
吉野がこちらに左手を出すと、その小さな手を握った。
「・・・なんだよ」
「いや、寒いなら手をつないでやろうと思って」
恋人繋ぎのように指を絡める。
「こ・・・こっちの方が風当たって寒みぃーし」
「そうか。なら」
少し引っ張り繋いだ手を自分の横のポッケに入れた。
「これならどうだ?」
「っ!・・・・・・あったかい」
そう言うとぎゅっと握り返してくれた。
別の意味で頬を赤くしている吉野はまた「はぁーー・・・」と白い息を吐いた。
「・・・早く雪降んねーかな」
口を尖らせながら吉野は言った。
「それじゃあもっと寒くなるぞ」
「いーの。たくさん降ればそれだけ遊べるじゃん」
そうやって遊んで風邪を引くのがこいつなんだよな・・・。
「やっぱ1度はでっけーかまくらとか作ってみたいよな」
「中に入って餅でも食べるのか?」
「そうそう!あ、でもトリもいるから2人が入る大きさの作んねーと・・・」
「・・・っぷ、くすくす」
吉野の言葉に思わず吹き出してしまった。
「え、俺変なこと言った?」
困惑した表情を浮かべながらこちらを覗き込んでくる。
まぁ無意識で言ってるんだろうな・・・。
「・・・俺も数に入ってることがうれしいんだ」
「??」
「そうやって当たり前のようにお前の中に俺がいることが、うれしいんだよ」
「~~!!それはっ・・・トリと一緒の方が楽しい し、昔から・・・っそうだし」
例えそれが今までの幼なじみとしての感覚でも、その時間も俺には大切だから。「ぇっと・・・・・・その、」
「ん?」
「あ、そう!時間!そろそろ年越すんじゃね?」
「あぁそうだな」
時計を見るとちょうどあと数秒で今年も終わりだった。
「・・・・・5、4、3、2、1」
「あけましておめでとう!トリ」
「あけましておめでとう」
こうやってまた1年吉野との時間が始まる。
「お詣りして、帰ったら年越しそばな!」
「わかってるよ。人参は花形だろ」
「もちろん!」
そうやって笑う姿はあの頃と何も変わらない。
 
きっとこれからも。
 
だから。
 
ずっと俺の隣で  笑っていてくれ。
 
 
 

 
 
 
おまけ
 
「トリ何お願いしたん?」
「言ったら叶わないだろう」
「ケチケチすんなよー」
「じゃあ毎日お前から好きだと言ってもらえますように、とかだ」
「なっ!?変なこと願ってんじゃねーし!」
「冗談だ」
「(それでも良かったんだが、実際それ以上に神頼みしたいものがあるんだ・・・)」

 
『吉野が毎月締め切りを守りますように』
『締め切りが無くなりますように!』
 
 
 
 
 
fin

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