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世界一初恋にどっぷりハマッてる二次創作サイトです。
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高野さんと律っちゃんが図書館に行って昔を思い出すお話。

できたらupしていきますねー。

近くの駅から電車で30分。昔らしい瓦の民家が並ぶ道を抜け、俺は8年ぶりにとある古い図書館に来ていた。
「懐かしい・・・」
いつもの所が休館じゃなかったら、きっと忘れたままだったかもしれない。
中学の頃友人の家に遊びに行った時に偶然見つけたここは、それから何回も通った思い出の場所だ。すごいと言うほど蔵書が良かったわけでは無いのだが、なぜか通い続けていた記憶がある。
なぜだろう?
まぁいいか。せっかく今日は1日本に埋もれて過ごせるんだ。これ以上の幸せは無い。


「へー、こんな所に図書館あったのか」


・・・・・・この人さえいなければ。




****

1時間程前のこと。
朝から出かけると決めていた俺は、朝食を済ませ部屋着を着替えていた。

ピンポーン

「誰だろう?」
そもそもここで気づけば良かったんだ。朝っぱらから訪ねてくる人間なんて1人しか思いつかないのに・・・。
上着を羽織る手を止め玄関へ向かった。
「はい、どちらさ・・・・っげ」

「おーのでーらくん、遊びましょ(棒読み)」

「そのセリフを棒読みで言う人初めて見ました」
「まぁ初めて言ったからな」
それだけ言うと高野は当たり前のように家に入ろうとしてきた。
「ちょ、何入ろうとしてるんですか!?」
「寒いんだよ、だから入れろ」
「家隣でしょ!!意味分かりませんって!」
無理矢理押し返して外へ出そうとするが力で勝てるわけもなく。
「お邪魔しまーす」
こじ開けられたドアから高野の進入を許してしまった。
「そういえば、今日はお前起きてたんだな」
「はぁ・・・はぁ・・・、これから出掛けるんです!」
「どこに?」
「教えません」
眉間に皺を寄せる高野を無視し、部屋に上着を取りに行く。出ていかないならこっちが出ていくまでだ。
「じゃあ俺もついていく」
「来ないでください!ストーカーで訴えますよ」
「だったらどこに行くか教えて?」
「うっ・・・」
どうも自分は高野さんのこういう聞き方に弱いらしい。
「いつもの・・・・・・図書館です」
ほら、言ってしまった。
「それなら止めとけ。今日あそこ臨時の休館日だ」
「・・・・・え」
「言っとくが、嘘じゃないぞ」
ドアノブに手をかけたまま小野寺は固まってしまった。そしてすぐ力が抜けたようにしゃがみこむ。
「楽しみにしてたのに・・・・・・」
「お前、ほんと本が好きだな」
「高野さんに言われたくありません」
「そりゃそうだ」
むー・・・っといじける小野寺の横に行くと、あやすように頭を撫でた。無言なことをいい事にさらさらした髪をイジり始める。
「ここあたり、他にあんまいい図書館ねーしな・・・」


「あります」


「え・・・」
「あるんです!なんで忘れてたんだろう・・・!」
力強くドアノブを握りしめドアを開けた。踵を踏んでいた靴を履き直し鍵をさす。
「ちょっと待て」
「じゃ、高野さんは留守番お願いします」
「言うようになったじゃないか小野寺・・・。俺もついて行く」
「・・・・・・勝手にしてください」
鍵を上着のポッケにしまいすたすたとエレベーターへ向かった。




そこは思い出のカケラ

痛くて 甘くて 脆い存在

でも確かにある

ーーたった1つの 本当の繋がり

それに気付くまで あと少し






つづく

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