ラスト!
自分の歩く音が館内に響く。すれ違う人も減り、 窓から見える景色もオレンジがかっていた。
「あ、見つけた・・・・・高野さん!」
奥まで来てやっと見つけることができた。しかし、 予想外の態勢に思わずため息をついてしまった。
「はぁ・・・、何で床にしゃがんで読んでるんですか。 あっちに椅子もあるでしょ」
「いいんだよ」
それだけ言い高野は本を閉じた。
・・・なんか素っ気ない。
でもその姿が一瞬嵯峨先輩と重なってしまった。
「~~っ!!」
「?何顔真っ赤にしてんだ」
「なっななんでもありません!・・・それより、 借りる本は決めたんですか?」
恥ずかしくなってしまい無理やり話を変えた。
「1冊だけな。お前は?」
「4冊ほど。・・・・・・探してたのは見つからなかったけど」
あの思い出の本だけが。
「それはこの本のことですか?お姫様」
「誰がお姫様っ・・・・あ・・・・・・・・・それ・・・ もしかして」
高野が差し出したのは、記憶の中のより少し古びたあの赤い本。
「お前、相変わらず俺のストーカーしてたわけ?」
「~~っ・・・・・・悪いですか」
「いや、すっげー嬉しい」
優しい顔で高野は笑った。 それから包むように小野寺を抱きしめる。
「・・・高野さん」
「ん?」
「俺・・・・・ずっと高野さんと一緒に此処に来たかったんです」
「・・・あぁ」
「何年もかかっちゃったけど、 見つけてくれてありがとうございます」
ぎゅっと背中に回した手を強めた。
「それは俺の台詞だ。・・・また、一緒に来ような」
「はい」
思い出もいつかは忘れてしまう
だから無意識のうちに証を残すんだ
散りばめられたカケラは
絶対あなたを忘れない
いつか思い出を連れて戻ってくる
これがたった1つの 俺達の本当の繋がり
fin
「あ、見つけた・・・・・高野さん!」
奥まで来てやっと見つけることができた。しかし、
「はぁ・・・、何で床にしゃがんで読んでるんですか。
「いいんだよ」
それだけ言い高野は本を閉じた。
・・・なんか素っ気ない。
でもその姿が一瞬嵯峨先輩と重なってしまった。
「~~っ!!」
「?何顔真っ赤にしてんだ」
「なっななんでもありません!・・・それより、
恥ずかしくなってしまい無理やり話を変えた。
「1冊だけな。お前は?」
「4冊ほど。・・・・・・探してたのは見つからなかったけど」
あの思い出の本だけが。
「それはこの本のことですか?お姫様」
「誰がお姫様っ・・・・あ・・・・・・・・・それ・・・
高野が差し出したのは、記憶の中のより少し古びたあの赤い本。
「お前、相変わらず俺のストーカーしてたわけ?」
「~~っ・・・・・・悪いですか」
「いや、すっげー嬉しい」
優しい顔で高野は笑った。
「・・・高野さん」
「ん?」
「俺・・・・・ずっと高野さんと一緒に此処に来たかったんです」
「・・・あぁ」
「何年もかかっちゃったけど、
ぎゅっと背中に回した手を強めた。
「それは俺の台詞だ。・・・また、一緒に来ような」
「はい」
思い出もいつかは忘れてしまう
だから無意識のうちに証を残すんだ
散りばめられたカケラは
絶対あなたを忘れない
いつか思い出を連れて戻ってくる
これがたった1つの 俺達の本当の繋がり
fin
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