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世界一初恋にどっぷりハマッてる二次創作サイトです。
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じゃみーさまのリクエスト『トリチアにょたで甘々』


仕事終わりの帰り道。
自分の家を通り過ぎて俺はもう1つの家に向かっていた。
そして今日は前々からある約束をしていた日。右手で持つこの小さな箱が、今晩の俺のライバルになるだろう。ため息をつきそうになるのを寸前で止め、重い足どりであと5分の道のりを歩いた。





****

「ただいま」
最近ではあたり前にただいま、と言えるようになったなと心の隅で考えながらドアを開けた。するとテレビの音がするリビングからぱたぱたと足音が近づく。
「トリ!おかえりー!!」
いきよいよく飛びつき羽鳥の首に抱きついた。
「・・・吉野、両手ふさがってるから危ない」
正直吉野は軽いためそこまで危なくもないのだが、今の服装を考えて行動して欲しい。少し湿った髪を見ると風呂に入ったのだろう。以前俺が買ったパジャマを着て、下にはキャミソール1枚。
つまり、その・・・胸が当たっているのだ。
「はーい」
聞き分けよくぱっと手を離したが、子供のようにキラキラしたその目は羽鳥を離さなかった。
「でもね、トリがもう少しで帰ってくるって考えると・・・我慢できなくて。ごめんね」
そんなかわいく上目遣いで謝る恋人を抱きしめようと手を伸ばした瞬間、タイムリミットの言葉発せられた。


「だからトリ、ケーキちょーだい!!」


「・・・・・・ほら」

やはり今日は俺の完敗らしい。





****

「おいしぃーー!!!」
苺のショートケーキ、季節限定の大きな栗がのったモンブラン、濃厚そうなチョコケーキ、パイ生地の間に真っ赤な苺が丸々入ったミルフィーユ・・・
本当に幸せそうに食べる顔に、こっちまで幸せな気持ちになってしまう。
今日は以前から予約していたケーキがようやく手に入った。漫画の資料も兼ねてだが、吉野がずっと食べたいと言っていたものだ。

だがら、例えあの出迎えがケーキのためだろうが、先程から1度もこちらを見ないで食べ続けようが、そんなこと全く気にすることではない。
・・・はず、だ。
はぁ・・・ケーキにまで嫉妬するとは。
羽鳥は少し冷めたコーヒーをすすった。




それにしても。
「甘ーーーい!」と言いながら食べる吉野を見て、羽鳥は考えていた。
(こいつ太らないなー・・・)
小さい頃から甘いもの好きで、いつも何かしら食べていた。高校の時も帰りにケーキを買ったりとよく付き合わされたものだ。しかし吉野の体型は身長はあまり無いにしてもスタイルは良く、胸もある。むしろ栄養がすべてそこにいってるのではないかと思うぐらいだ。
つい昨晩の情事のことを思い出してしまい胸から目を逸らすと、口に生クリームがついてることに気付く。
そっと吉野に近づき、いたずら半分やきもち半分で生クリームをぺろっと舐めた。
「?」
「クリームついてたぞ」
「あ、うん。へへへー、ありがと」
「っ!?」
いつもなら顔を真っ赤にして恥ずかしがるのに。どうやらケーキを食べれてご満悦らしい。今ならと思い、吉野の後ろで抱き締めるように座った。
「どうしたの?」
「いや」
「っあ、もしかして・・・」
さっと顔を青ざめながらゆっくりこちらを振り向いた。
「トリ・・・モンブラン食べたかった?」
「は?」
「じゃっじゃあ、チョコの方!?ていうかごめん、あとショートケーキしか残ってない・・・」
別に甘いものはあまり好きでは無いから気にすること無いのだが。
しかし吉野が構ってくれるのがうれしく、つい調子に乗ってしまった。
「そうだな。俺も食べたかった」
「ごごごっごめんね!えっと・・・じゃあこれ」
フォークに指して口の前につきだしてきたのは、ショートケーキの上の苺。
「いや・・・お前苺好きだろ」
「好きだけど、ケーキほとんど食べちゃって・・・トリに悪いし」
しょぼんとしてしまった吉野に少し申し訳ないと思い、苺を手で取ると吉野の口の中に放り込んだ。
「はぅ・・・・・っいい・・・の?」
そして、ちゅっと重ねるだけのキスをした。
「俺はこっちで十分だ」
額や頬、首などキスを落としていくと、不思議そうな顔をした吉野が覗き込んできた。
「でもさ、トリさっき怒ってたよね?」
「・・・怒るというより、やきもちの方が近いがな」
「なんで?って、ちょ 胸触んないでよ やっ」
「お前がケーキばかり見てるからだ」
「はぁ!?」
パジャマの下から忍び込ませた手で体のラインをなぞり、柔らかい胸を包んだ。
「出迎えだってケーキのためだっただろ」
「んっ・・・ぁ、別にそんなつもりじゃ」
子供っぽいことはわかっている。
別にお礼が欲しいわけでも無いし、食べたかったわけでもない。
ただこうやって吉野と一緒にいられる時間は限られている。もう少しで締め切りに迫られる毎日だ。1分1秒も無駄にしたくない。
「トリ・・・っん」
左手で胸を揉み、右手は吉野の頭の後ろにまわしてキスをした。
「っちゅ、・・・なんか、今日のトリ触り方が変態だ」
「そりゃあ悪かったな」
羽鳥の膝の上に乗るような態勢で、バードキスを繰り返す。
「・・・・・・ケーキおいしかったか?」
「・・っ・・・うん!ありがと」
その笑顔が見れたなら、まぁ良しとするか。
顔を離そうとすると、逆に吉野が両手で顔を包み込みキスをしてきた。

「ケーキはお終い。次は・・・トリの番だよ」

「どういう・・・?」

「だから!・・・・・・・・・ぇっち・・・しよ?」

「っっ!・・・それは、残さず食べなきゃだな」
押し倒しそうな自分を必死に止め、顔の赤い吉野を抱き上げた。
「好きだよ、千秋」
「ん」
そのまま寝室へと歩いていった。


このあとは、ケーキより甘い2人だけの時間。





fin

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