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世界一初恋にどっぷりハマッてる二次創作サイトです。
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本の話をしているときの律っちゃんの笑顔はきっと反則ですよね。


仕事が一段落し、コーヒーでも買いに行こうかと立ち上がると、嬉しそうな顔をした小野寺が帰ってきた。手には何かの小説。
「お前なに持ってんだ?」
「っあこれですか?宇佐見先生の新刊なんです!さっき他の階で山積みになってるのを見てたら井坂さんに渡されて」
また井坂さんか。ほんとあの人は自由人だよな。
「自分で買うって言ったんですけど・・・、断れなくて」
「いーんじゃね、くれるって言うなら。それよりどう?今回も面白そうか?」
「はい!」
そう聞くと満面の笑みで返してくれた。いつもは素直じゃないのに本の感想とかになると昔に戻ったような気持ちにさせてくれる。
「さわりだけ読んだんですけど、宇佐見先生らしいちょっと切ない話みたいですね。けど本当に最近は、文字が温かくなったっていうか、幸せな話が増えて少し嬉しかったんです」
「わかる、前は最後まで切ないままだったもんな」
やっぱりこいつも同じ所を気にしていた。
「だから今回もそう言った意味でも期待できそうです!帰って読むのが楽しみだなぁ」
「・・・」
「高野さん?」
「いや、ほんとお前本の事だと俺とでも笑って話してくれるなって」
本音を言ってしまうと、小野寺は決まりが悪そうに目を逸らした。
「いや、それは・・・」
「それは?」
「た 高野さんって俺と同じ所に気付いてくれるから・・・、つい楽しくって」
小野寺は頬を少し染めながら、恥ずかしそうに答えた。
・・・あー、なんでここ会社なんだよ。
「高野さん?」
「・・・小野寺、今日俺ん家直行な」
「はい!?」
スタスタと歩きながら当たり前のように言う。
「さっさと仕事終わらせろよー」
「ちょっ、勝手に決めつけないでください!」
高野さん!と後ろで叫ぶ小野寺をシカトしながら編集部をあとにする。

帰ったらご飯食べて、一緒に本を読んで、飽きるまでずっと話し合おう。

あの頃みたいに、2人だけで。



fin

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