トリチアで口移しなお話。
ソファに座る吉野の前にある白い飴玉。
「おい、これは何だ」
何を当たり前のことを聞いてるんだと、 ぽかんっとした顔をして聞き返してきた?
「何って・・・飴」
ビリッと袋を破り飴を口に含もうとする吉野の手を止めた。
むすっとした顔で睨んでくるが、 袋の名前を見て止められずにはいられなかったのだ。
「お前ちゃんと確認して買ったんだよな」
「さっきから何なんだよ~!ちゃんと見たって」
「じゃあ読んで見ろ」
『ドリアンキャンディー』
改めて名前を聞くだけで眉間にしわが寄った。
これなら断言できる。
絶対こいつは食べれない。
「いいじゃんおもしろそうだしー」
「おもしろいと食べれるを一緒にするな。 それにお前ドリアンがどんな味が知らないだろ」
「知らないけど・・・、フルーツだっけ」
まぁ実際俺も食べたことは無いが、 以前テレビで罰ゲームとして出ていたのを見たことがある。
確か、とにかく臭くて不味いらしい。
「だからフルーツなら食べれるとかどうしてそう発想が単純( 悪気なし)なんだ」
「たんじゅっ」
「それに味覚が子供なお前(悪気なし)には無理だ」
「・・・・・・こ・・・こどっ、いい。 俺が勝手に食うんだから別に迷惑かけないだろ! 欲しいって言ったってぜってぇトリに何か食わせてやんねーから! !!」
ぷいっとそっぽを向くと、そのまま飴を口の中に入れてしまった。
「おいっ」
珍しく眉間にしわを寄せた吉野は口の中でコロコロと飴を転がして いた。
だが突然その動きがぴたっと止まる。
「よ・・・吉野?」
ガシッと手を口にやり、真っ青な表情でこちらを振り向いてきた。
「トリ・・・」
今にも吐きそうなその顔はうっすら涙も浮かべていた。だが、 その後に続いた言葉で長年の付き合いは伊達ではないと確信した。
「・・・不味い」
「・・・だろうな」
「おいしくないー!!何こりぇ、フルーツじゃないって! 俺はぜってぇ認めねーから!!」
「だから言っただろ」
吉野は半泣きで口を押さえなぜか俺の足をバシバシ叩いてくる。
「自業自得だ」
「うるせー!・・・う、まじ吐きそうなんだけど」
頼むから吐くな。
「・・・吉野」
「何だよー・・・」
羽鳥は吉野の頭の後ろに腕を回すと、 口を塞ぐ手を引き剥がし深くキスをしてきた。
「ん!!ぁ・・んぅ~!」
暴れる吉野を片手で押さえ、 空いた方の手であやすように頭を撫でた。 力が抜けてきた所で一端唇を離す。
「あ・・・飴」
「これでいいだろ」
いつの間にか口の中にあった飴は羽鳥の口へ移動していたのだ。
「う うん。てか、だったらいきなりキスしてくんなよ!」
「キスもしたかったことも事実だ」
「意味わかんねーし」
少し頬を赤く染め、 相変わらず恥ずかしいのかまたそっぽを向いてしまう。
「・・・・・・で、でも・・・ありがと」
だがさすがに悪いと思ったのだろう。 こちらを向き直しぺこっと小さく頭を下げた。
「気にするな」
「・・・ん」
「ところで・・・吉野」
「何?」
「これホントに不味いな」
「す・・・すいません」
fin
「おい、これは何だ」
何を当たり前のことを聞いてるんだと、
「何って・・・飴」
ビリッと袋を破り飴を口に含もうとする吉野の手を止めた。
むすっとした顔で睨んでくるが、
「お前ちゃんと確認して買ったんだよな」
「さっきから何なんだよ~!ちゃんと見たって」
「じゃあ読んで見ろ」
『ドリアンキャンディー』
改めて名前を聞くだけで眉間にしわが寄った。
これなら断言できる。
絶対こいつは食べれない。
「いいじゃんおもしろそうだしー」
「おもしろいと食べれるを一緒にするな。
「知らないけど・・・、フルーツだっけ」
まぁ実際俺も食べたことは無いが、
確か、とにかく臭くて不味いらしい。
「だからフルーツなら食べれるとかどうしてそう発想が単純(
「たんじゅっ」
「それに味覚が子供なお前(悪気なし)には無理だ」
「・・・・・・こ・・・こどっ、いい。
ぷいっとそっぽを向くと、そのまま飴を口の中に入れてしまった。
「おいっ」
珍しく眉間にしわを寄せた吉野は口の中でコロコロと飴を転がして
だが突然その動きがぴたっと止まる。
「よ・・・吉野?」
ガシッと手を口にやり、真っ青な表情でこちらを振り向いてきた。
「トリ・・・」
今にも吐きそうなその顔はうっすら涙も浮かべていた。だが、
「・・・不味い」
「・・・だろうな」
「おいしくないー!!何こりぇ、フルーツじゃないって!
「だから言っただろ」
吉野は半泣きで口を押さえなぜか俺の足をバシバシ叩いてくる。
「自業自得だ」
「うるせー!・・・う、まじ吐きそうなんだけど」
頼むから吐くな。
「・・・吉野」
「何だよー・・・」
羽鳥は吉野の頭の後ろに腕を回すと、
「ん!!ぁ・・んぅ~!」
暴れる吉野を片手で押さえ、
「あ・・・飴」
「これでいいだろ」
いつの間にか口の中にあった飴は羽鳥の口へ移動していたのだ。
「う うん。てか、だったらいきなりキスしてくんなよ!」
「キスもしたかったことも事実だ」
「意味わかんねーし」
少し頬を赤く染め、
「・・・・・・で、でも・・・ありがと」
だがさすがに悪いと思ったのだろう。
「気にするな」
「・・・ん」
「ところで・・・吉野」
「何?」
「これホントに不味いな」
「す・・・すいません」
fin
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