*以前書いた『あなたはなれない』の続編です。
前の話を読んでから読むことをオススメします。
自分の旧名が「嵯峨」だと伝え今の気持ちを伝えるお話。
前の話を読んでから読むことをオススメします。
自分の旧名が「嵯峨」だと伝え今の気持ちを伝えるお話。
あの夜から数日後。
俺は会わせたい人がいるという名目で小野寺を自分の家に呼び出し た。しつこく誰かと聞いてきてきたが答えられなかった。
だってそうだろ。
今更、俺があの嵯峨政宗だ、なんて言ってどうなる。
あいつの気持ちを信じず、俺は裏切り続けてきた。 再会してからも復讐しか考えてこなかったんだ。 こんな真っ黒な俺を見せたら幻滅ものだよな。
あいつの中の『嵯峨先輩』は綺麗すぎる・・・。
指定の時間ぴったりに小野寺は俺の家を訪れた。
「 別に気になったからなだけで高野さんに会いに来たわけじゃないで すから・・・」
いつも通りの小野寺の姿を見て、つい笑みをこぼしてしまった。
でも、そんな日常も今日で終わりだ。
これがお前にしてやれるせめてもの罪滅ぼし。
リビングに案内すると、俺は腹を括った。
****
一気に話し、俺は口を閉じた。
俺の旧名が「嵯峨」だということ。
どんなにお前が好きだったかということ。
最後にあった日なぜ俺が笑ったのか。
でもお前と再会したときどんな企みをしていたか。
そして今、また本当にお前を好きになってしまったこと・・・。
「俺はお前の気持ちを裏切ってきた、信じようともしなかった。・ ・・本当に、すまなかった」
深く頭を下げた後、ゆっくりと小野寺の顔を見た。
だが目を丸くしたまま固まっている。 どうやら頭の中でうまく整理できていないらしい。
俺は小野寺が口を開くまでじっと待った。
「・・・・たか・・のさんが・・・嵯峨先輩・・・・・?っま、 待ってください!」
信じられないのか俯いたまま頭を横に振った。
「そんなの・・・信じれません」
「じゃあ何か俺に質問して。俺とお前にしか分からないもの」
「・・・・・・初めて・・・先輩と食事した時、 俺は何の小説家さんの話をしましたか?」
忘れるわけがない。
初めて2人で食べたファーストフード。
初めて好きなこと話し合えたあの時間。
「・・・宇佐見先生、だろ」
「っ!!・・・嵯峨 先輩、なんですか・・・・・・?」
さぁこれで種明かしは終わりだ。
あとはいくら罵倒されようが恨まれようが覚悟はできている。
「お前の好きにしてくっっ!?」
目を開けた途端目の前には小野寺の頭、 というか腕は首に回されきつく抱き締められていた。
「は・・・・・・なにこれ」
「嵯峨先輩!嵯峨先輩・・・!ずっと謝りたかった、あ 会いたかった!!っぐす、・・・ 言いたかったことたくさんあるはずなのに、それ以上に、 先輩が笑ってくれてることがうれしいんです。変ですよね」
染みてきてるのはきっと涙で、 その冷たい感覚が俺をここに引き戻してくれた。
変わってない。
勝手に人の心配ばっかするところも。
勝手に喜んだりするところも。
何1つ。
あの時のまま。
「怒んねーの?」
「・・・ぐすっ、何でですか」
「例え勘違いでも俺はお前を傷つけた。 それに大好きな嵯峨先輩がこんな俺だと知って幻滅しただろ」
首に回した腕を少し緩め、まっすぐと高野の目を見た。
「確かにそうですね」
「・・・っ」
「嵯峨先輩はクールで優しくてかっこよくて、 それに比べて高野さんは横暴でエラそうでいつも俺に嫌がらせばっ かして、ほんっっっとムカつきます。・・・・・・でも、 俺はまた好きになったんですね」
え・・・?
小野寺はそう言うと高野の手を握り自分の頬まで引き寄せた。
「ずっと辛い思いをさせてすいませんでした、 気付いてあげれなくてすいませんでした・・・ 俺がいることでそれが高野さんの重荷になるなるなら、俺は「 重荷になんかなるか・・・!」
お前がいてくれたから自分と向き合えた。
お前がいてくれたから俺は生きてこれた。
「でも・・・」
「もしどうしてもお前が納得しないなら、俺と約束しろ」
「?」
腕を引き包み込むように抱き締めた。
「一生俺から離れるな、ずっと一緒にいろ」
「・・・編集長、命令ですか?」
「プラス先輩命令だ」
「・・・相変わらず横暴ですね」
「でも好きなんだろ?」
「っ!!・・・・・・うるさいですよ。もう・・・ 離れませんから」
「あぁ」
不器用過ぎて止まったままだった初恋は
ちょっとした勘違いで秒針が2つ消えていて
でも今同じ場所に帰ってきた
追いかけたり
追いかけられたり
また 動き出す・・・
fin
俺は会わせたい人がいるという名目で小野寺を自分の家に呼び出し
だってそうだろ。
今更、俺があの嵯峨政宗だ、なんて言ってどうなる。
あいつの気持ちを信じず、俺は裏切り続けてきた。
あいつの中の『嵯峨先輩』は綺麗すぎる・・・。
指定の時間ぴったりに小野寺は俺の家を訪れた。
「
いつも通りの小野寺の姿を見て、つい笑みをこぼしてしまった。
でも、そんな日常も今日で終わりだ。
これがお前にしてやれるせめてもの罪滅ぼし。
リビングに案内すると、俺は腹を括った。
****
一気に話し、俺は口を閉じた。
俺の旧名が「嵯峨」だということ。
どんなにお前が好きだったかということ。
最後にあった日なぜ俺が笑ったのか。
でもお前と再会したときどんな企みをしていたか。
そして今、また本当にお前を好きになってしまったこと・・・。
「俺はお前の気持ちを裏切ってきた、信じようともしなかった。・
深く頭を下げた後、ゆっくりと小野寺の顔を見た。
だが目を丸くしたまま固まっている。
俺は小野寺が口を開くまでじっと待った。
「・・・・たか・・のさんが・・・嵯峨先輩・・・・・?っま、
信じられないのか俯いたまま頭を横に振った。
「そんなの・・・信じれません」
「じゃあ何か俺に質問して。俺とお前にしか分からないもの」
「・・・・・・初めて・・・先輩と食事した時、
忘れるわけがない。
初めて2人で食べたファーストフード。
初めて好きなこと話し合えたあの時間。
「・・・宇佐見先生、だろ」
「っ!!・・・嵯峨 先輩、なんですか・・・・・・?」
さぁこれで種明かしは終わりだ。
あとはいくら罵倒されようが恨まれようが覚悟はできている。
「お前の好きにしてくっっ!?」
目を開けた途端目の前には小野寺の頭、
「は・・・・・・なにこれ」
「嵯峨先輩!嵯峨先輩・・・!ずっと謝りたかった、あ 会いたかった!!っぐす、・・・
染みてきてるのはきっと涙で、
変わってない。
勝手に人の心配ばっかするところも。
勝手に喜んだりするところも。
何1つ。
あの時のまま。
「怒んねーの?」
「・・・ぐすっ、何でですか」
「例え勘違いでも俺はお前を傷つけた。
首に回した腕を少し緩め、まっすぐと高野の目を見た。
「確かにそうですね」
「・・・っ」
「嵯峨先輩はクールで優しくてかっこよくて、
え・・・?
小野寺はそう言うと高野の手を握り自分の頬まで引き寄せた。
「ずっと辛い思いをさせてすいませんでした、
お前がいてくれたから自分と向き合えた。
お前がいてくれたから俺は生きてこれた。
「でも・・・」
「もしどうしてもお前が納得しないなら、俺と約束しろ」
「?」
腕を引き包み込むように抱き締めた。
「一生俺から離れるな、ずっと一緒にいろ」
「・・・編集長、命令ですか?」
「プラス先輩命令だ」
「・・・相変わらず横暴ですね」
「でも好きなんだろ?」
「っ!!・・・・・・うるさいですよ。もう・・・
「あぁ」
不器用過ぎて止まったままだった初恋は
ちょっとした勘違いで秒針が2つ消えていて
でも今同じ場所に帰ってきた
追いかけたり
追いかけられたり
また 動き出す・・・
fin
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