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世界一初恋にどっぷりハマッてる二次創作サイトです。
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律っちゃんお誕生日おめでとうううううううううううう!!!!
ぎりぎり間に合った!セーーーフ!!
今年もお祝いできて良かったです。
ツンデレで天使な律っちゃんがずっと大好きだよ!

では、moreより小説です。
ぶっちゃけ内容は誕生日ネタじゃないwww
ぎり前日談でありかなって感じですが、よかったら読んでやってください。


人と話すときは相手の目をしっかり見る。
簡単に見えて、それは多くの人がなかなか実行できないでいる。
俺の好きな相手も昔はほとんど目を合わせてはくれなかった。いつも下を向いて、顔を真っ赤にさせて。
当時の俺はなぜそこまで挙動不審な態度をとるのかわからなかったが、今となってはそれが彼の愛情表現の1つと考えても良かった気がする。平静な態度ではいられないほど好きで、好きで、好きで。そんな事知ってしまっていたら、こっちまでおどおどがうつっていただろう。

つまり、何が言いたいかというと。



「げっ......」



なぜあんなかわいかった奴がゴキブリでも見つけた様な顔を俺に向けるのか、ということだ。




****

そもそも最初からそうだった。
小野寺は俺に会うたび絶対最初は『嫌な顔』をする。そのあとはきまって顔を逸らしてしまう。嫌な顔の程度はさまざまだが、普通に挨拶をしようとした時にその顔を見るとそれなりなヘコむ。
というか社会人として上司にその態度はいかがなものなんだろうか
まぁ他の人間にそんな顔をしている所を見たことは無いが.....。

過去や今の俺達の関係、俺の態度も少しは原因かもしれないが、普段から笑顔を見せてくれる日はいつくるのやら。


「あの、呼び掛けたと思ったら突然黙りこんで。どうしたんですか?」
そりゃあ急降下したこの気持ちをどうしようか考えてるんだよ。
「あー.......ちょと考え事だ」
「はぁ....?」
「....そうじゃなくて、お前今何か欲しいものないか?」
急な質問に文句の1つでも言われると思っていたが、予想より早く返事は返ってきた。
「休みですね。というか読書する時間」
切実だな。
「もっと物欲ねぇのかよ」
そう言うと小野寺は少し考え込み、半ば諦めたように言葉を放った。
「強いて言えば、高野さんの家と俺の家の間に壁が欲しいですね。おもに入り口の」
「..................そりゃあ、マンション自体リフォームしなくちゃだな」
「ですね」
さっき急降下と言ったが、むしろ急直下に気持ちが落ちていくのをひしひしと感じた。

小野寺との会話はいつもこうだ。

結局聞きたいこともきけないまま、少し頭を下げた小野寺が俺の横を通っていった。その表情は相変わらず見えなかった。




****

「はぁ.......」
無意識に漏れてしまった溜め息がますます俺の気持ちを沈めていく
先ほど買った缶コーヒーが手を暖めてくれるが、口に含んでも冷えきった心を暖めてくれることはない。
もう1度深い溜め息。
休憩場には人がいなく、いつもよりだらけた体勢で座った。カチカチと時計の音が響くなか、爪先より先の何も無い床をぼーっと見つめていた。
今さら小野寺の態度にショックを受けるのもおかしな気もするが、1度考え出すと止まらないものだ。
また溜め息が出てしまった時、視界に黒い靴がはいった。
「高野さん、お疲れさまです。珍しく溜め息なんかついてどうしたんですか?」
「羽鳥、帰ってきてたのか」
そこにいたのは作家さんの所に進行確認に行っていた羽鳥芳雪の姿だった。
「はい、ついさっき。少し遠い家の方だったので、歩いたら喉が渇いてしまって」
「お疲れ。何飲む?奢るぞ」
持っていた缶を横に置き立ち上がった。
「ありがとうございます。ではお言葉に甘えて、コーヒーのブラックで冷たい方をお願いします」
「はいよ」
ガチャンと音をたてて落ちてきた缶を手に取ると、羽鳥に向かって軽く投げた。
「いただきます」
キャッチした羽鳥は椅子に座り缶を開け、中身を飲み始めた。俺も左隣に座る。
「.......ふぅ、それでさっきの溜め息はどうしたんですか?」
「んー.......、なんかわかんなくなってよ」
「何がですか?」
「なぁ羽鳥。.......小野寺って俺の事嫌いだと思うか?」
驚いたというより、予想外な質問をされ少し困ったような表情の羽鳥はゆっくり手に持つ缶コーヒーに視線を変えた。
「そうですね..........、嫌いではないと思いますよ」
「.....その根拠は?」
「そう言われてしまうと難しいですが....」
羽鳥はころころと手の中で缶を転がしながら思い出してように話始めた。
「小野寺って顔に出やすいタイプじゃないですか。だから高野さんと会ったときいつも嫌そうな顔はしてますけど」
傍から見ても嫌そうではあるんだな。
「でもその後の顔ってちゃんと見てますか?」
「後?.......いや、あいつすぐ下向くし、顔背けるし見てねぇ」
「じゃあ次話す時は見てください。きっとそれでわかりますよ」
「?」
少し笑いながらコーヒーを一気に飲み干すと「ごちそうさまでした」と言い休憩室を出ていってしまった。

後の顔ってなんだよ.....。




****

羽鳥の話を気にしながらも仕事をこなしていき、いつの間にか外は暗くなっていた。
なんとか今日までの仕事を切り上げることができたと一息ついていると「お先に失礼します」という小野寺の声が聞こえた。声をかけようと腰を浮かせるがなぜか声は出ず、目でその後を追うだけになってしまった。
「.........高野さん、いいんですか?」
隣の羽鳥が伺うように声をかけてきた。
「いや......」
どうして小野寺のことだとこんなに臆病なんだろう。いつもみたいに気にせず話しかければいいのに。

あーーー、ほんと......自分にイライラする。

「羽鳥、俺も今日は帰るな」
雑に荷物を鞄に詰め込みいきよいよく立ち上がる。
「お疲れさまです、気をつけて」
他のエメ編メンバーにも声をかけて小野寺を追いかけた。




****

エレベーターを降り、駅までの道を走る。大の大人が何を必死に走ってるのだろうか。それでもスピードは落とさず腕をふった。
するとすぐに見慣れた頭が目にはいる。
「小野寺!!」
びくっと肩を震わしていきよいよく振り返った。
「ふぇっ、高野さん!?どうしたんですか?会社で何かありましたか?」
「は?いや.....なにも、無いが」
息を整えながら答える。
「じゃあどうして....?」
「一緒に帰りたかっただけじゃダメなのかよ」
「.....何言ってるんですか」
眉間に皺を寄せるといつものような顔をし、そらされてしまった。
またか.....。
でも羽鳥が言っていていた事が本当なら。
高野はそっと距離を縮め小野寺の顔を覗きこんだ。


「.....っっ!」


そこには、まるであの頃にかえったような真っ赤な顔をした小野寺の姿があった。
いつも俺が話しかけると顔を赤くさせ下を向いていた、そう....全く変わらない表情で。
「.............っぶ、はははははは」
「ちょっ、何人の顔見て笑ってんですか!?」
「いやっ、お前があまりにも変わってないから」
「変わってないって??」
何の話か全くわかっていない様子で、でも笑われているのが恥ずかしいのか上目遣いで睨んできた。
「俺やっぱお前のこと好きだわ」
「はあああ!?外で何言ってるんですか!」
「今言いたかったんだよ、ほら帰るぞ」
とんっと小野寺の背中を押し、先に歩き始めた。
「押さないでください!てか、別に一緒に帰るわけじゃないですからね。ただ方向が同じってだけですから」
「はいはい」

相変わらず素直じゃないし、イラッとするような嫌な顔してくるけど、それも込みで好きになっちゃったんだよな。

まぁそのうちあの頃みたいな無邪気な笑顔を見せてくれるまで、気長に待つさ。





fin

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